|  |  B&W800と6畳の空気とをどう折り合いを付けるのか |  | 
								
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									|  | 初めてお手合わせをするB&W800に期待を膨らませて、いざ!相模原のKさん宅へ!。ただ、事前に聞かされていたのは6畳の洋間という事ですから、果たして強力なウーハーのエネルギーをどうやって、その「6畳の空気の量と折り合いを付けられるのか?」というのが今日の私にとってのテーマです。
 
 ほぼ約束通りのペースで相模原の町に着いたのですが、小田急の相模原駅の踏み切りを渡るのに20分ぐらい掛かってしまいました。その混んだ相模原銀座の商店街を抜けたところにTさんのお住まいはありました。
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									|  |  ”無料クリニックキャンペーン”の適用 |  | 
								
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									|  | 家の前で洗車をしていたKさんが、私達の方に向かって手を振ってくれていましたのですぐに分かりました。今日も助手に息子を連れての訪問です。車から荷物を出すよりも先に、荷物を置けるスペースがどれくらいあるのか?、事前に拝見させて頂いてからの方がよさそうです。今日のKさんも”無料クリニックキャンペーン”の適用をさせて頂くことになっております。
 
 部屋は大変スッキリとしている方ですが、それでも3人入るとそうスペースがある訳ではありません。そこで、とりあえず必要な物だけを持って仕事に取り掛かることに致します。事前に大体の戦略は決めていましたが、システムを拝見してもその方針に変わる事はありませんでした。
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									|  |  KさんのB&W800は波動の谷間に入っていた |  | 
								
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									|  | 先ず、現状の音をお聞かせ頂く事から入りますが、鳴っていたのはヒュージョン系の曲です。ナルホド!、この状態であれば欲求不満が出て当然です。ミッド以上の音にはそう不満がある訳ではないようです。とにかく、低音が重たく中音とのつながりが上手くいっておりません。これにはKさんも同感のようです。
 
 そして、その対策として今回のRK-BWと共にスピーカーケーブルとプリを変えてみようかとお考えのようでした。ちなみに、現時点でのTさんのシステム・ラインアップは以下の物です。
 
 
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													|  | スピーカー | B&Wノーチラス 800 | (SPケーブル芋の蔓+ムジカライザ-) |  
													|  | パワーアンプ | アキュフェーズ P1000X2 | (バイアンプのパラレル使用) |  
													|  | コントロールアンプ | アキュフェーズ C290V |  |  
													|  | CDプレーヤー | DENOND CD-S1 |  |  |  | 
								
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									|  |  何も買う事無く、私の腕でどれだけ良い音になるか? |  | 
								
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									|  | 今日の最大のテーマは「スピーカーが今の部屋とどう折り合いを付けるか?」なのですが、それでは「どうすればいいのか?」といっても、大半の方は物を買い換えることによるグレードアップしか見当たらないのが実情ではないでしょうか?。そこで、「何も買う事無く、私の腕でどれだけ良い音になるか?」をこれからやってみる事にします。
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									|  |  インフォームド・コンセンサス |  | 
								
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									|  | その為には、事前に「何故このような音になっているか?」の説明をしてから物事に入らなければなりません。いわゆる”インフォームド・コンセンサス”というやつです。第1波としてスピーカーから出た音=これを私は「オリジナル音源波」と呼んでいます。
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									|  |  徹底した”空間の時間軸”の調整 |  | 
								
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											その第1波がリスナーの背後の壁に当たって、反射波となって今度は「第2波のオリジナル音源波」とぶつかります。正面衝突した音のエネルギーは、この時点でかなり殺されてしまいます。その反射波が再びスピーカーの背後の壁に当たって、今度はオリジナル音源波の「後追い波」となって、似たような音がかぶさってきますので、”悪玉”となって音を滲ませたり、濁らしてしまうのです。
											例えて言いますと、”後追い合唱”のように、この後追い波が「一小節遅れ」でキチンと追いかけてくれさえすれば、「波動が合って」今度は”善玉の残響”となるのです。
											この重なり具合一つで、低・中・高のエネルギーバランスが複雑な複合状態となって、良くも悪くも”千変万化”するのです。
											その部屋の空気の重なり具合や微妙なアンジュレーションによって、美しくも、力強い響きにもなるし、汚く、うるさい音にもなってしまうものなのです。
											すなわち、音とはスピーカーが出すのではなく、スピーカーと部屋との共同作業によって成り立つものなのです。その両者の育んだ部屋の響きとして私達は音楽の良否を感じるのです。
											これは、「電気の流れ」とか「振動の流れ」よりも分かり易く、誰もが理解出来る現象です。
											
											「皆・さ・ん、今・す・ぐ・に・で・も、是・非・試・み・て・下・さ・い」。この「空間の時間軸の波動コントロール」無くして、音楽を音楽として感じる事はあり得ません。これは、調律の狂った楽器で演奏している状態と同じに考えて頂いていいでしょう。
											機材の良し悪しよりも、先ず最初にありきは「空間の時間軸の波動が揃うこと」です。その方が音楽として楽しめます。なおかつ、その上に機材の性能が良ければ申し分ありません。
											ステレオで良い音がする条件は、「電気の時間軸」と「振動の時間軸」と「空間の時間軸」の3つの時間軸の整合性が何よりも重要です。
私の研究に於いては、この3つの波動はすべてリンクしていて、音の良い長さの単位 "1kaiser"=105の整数倍から成り立っています。
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									|  |  1/16 kaiser(6,5625mm)まで追い込んで調整 |  | 
								
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									|  | この徹底した空間の時間軸の波動コントロール調整を、私も今日初めて、厳しく細かい単位1/16
            kaiser(6,5625mm)まで追い込んで調整したのです。特にB&W800の持つポテンシャルが相当高いものがありましたから、ほんのわずかな変化でも如実に顕われ大変分かりやすい結果が得られました。
 
 
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									|  | 1kaiser(105) ⇒ 1/2kaiser(52,5) ⇒ 1/4kaiser(26,25) ⇒ 
1/8kaiser(13,125) ⇒ 1/16kaiser(6,5625) |  | 
								
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									|  | この重さ150キロもあるB&W800をミリ単位で10回前後、左右ですから20回も動かすのですから、これだけで大変な時間を割きました。こうした、常軌を逸した波動コントロールによって、テストディスクに使ったダイアナ・クラールの歌声の表情がコロコロと変わるのです。
 
 3度くらい前後して聞くと、どの位置にすればどのような変化をするのかが大体シュミレーション出来るようになってきます。この時のコツは少しずつ動かすのではなく、一番後ろと一番前といった風に、振れ過ぎのように大きく動かすとどういう風に変化するのかがよく分かります。
 
 具体的な音の変化としては、中音と低音がバラバラな感じになったり、ソプラノがメゾソプラノに聞こえたり、ツイーターから高音が出ていないような状態になったり、またそれとは逆に高音がうるさ過ぎるような鳴り方になったり、まるで、グラフィックイコライザーを触っているように変化するのです。
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									|  |  出てきたいくつかの問題点 |  | 
								
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									|  | この「空間の時間軸の波動コントロール」を終えた後、しっかりとマーキングをしておき、スピーカーの下に座布団を用意した上で、そっと150キロもあるB&W800をうつ伏せにして寝かせます。もう既にTさんは800を購入した時点でボールキャスターからスパイクに変更していましたので、これで2度目の足回り変更になります。
 
 
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									|  | 私にとって800にRK-BWを取り付けるのは初めてでしたので、幾つか問題点が出てきました。前回スパイクに交換する際にピアノ運送業者が6角のネジの頭をつぶしてしまい、今日そのネジを輸入元のサービスが届けに来たのですが、いざ取り付けようとしたらそのネジが合わないのです。
 
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									|  |  お粗末なサービス体制 |  | 
								
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									|  | この800用は801と802よりネジが一回り大きいのです。輸入元でさえその事実を知らないのですから困ったものです。まして、このネジは頼んでから2ヶ月待たされたというのですから、あまりにもお客さんを軽視しています。ネジなんて高くてもせいぜい100円くらいの物でしょうから、サービスパーツとして持っておくのがインポーターとしての使命です。300万の買い物をしてこのサービス体制では、消費者からの信頼は到底おぼつかないでしょう。
 
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									|  |  セッティングとはノウハウの塊です |  | 
								
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									|  | ですから、このネジ1本足らない為に私はもう一度ネジが入った時点で取り付けセッティングに行かなければなりません。輸入元のサービスが「やります」というのですが、ネジの交換さえすればいいのではなく、完璧にセッティングしたのを崩されるのが嫌だからです。
 
 
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									|  | 音の帝王の名に恥じない為にも、カイザーサウンドはそれだけの拘りとプライドを持った仕事をしたいのです。しかし、これも責任感だけではなく、「次回にどれだけ音が良くなっているのか?」、私個人が知りたいという欲求があるから出来る事なのです。
 
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									|  |  本日のメインイベントRK-BWの取り付け |  | 
								
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									|  | 3点支持にしてみようとして後部のふたの部分を押さえてみますと、設置したい場所が軟弱で出来ません。この800は4点支持方式しか出来ないことが判明致しました。とりあえず、RK-BWを取り付けた時点でPB-BIGのオスを入れない状態で鳴らしてみる事にします。
 
 
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									|  | これだけでも、今までのスパイク方式とは比べ物にならない情報量の違いです。また、どんよりとした粘質系の音もしなくなりました。これは、Tさん自作のプチルゴムを多用したスピーカーベースが原因だったと判明。
 
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									|  |  サウンド・ステーションの威力は凄い |  | 
								
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									|  | 次に持ってきたサウンド・ステーションをスピーカーベースとして使ってみる事にします。一同驚きです!。まるで、倍の広さの部屋になったかのような広がり感が出ました。木の響きの方向を縦・横・高さと管理して設計しているのが狭い部屋に置いて大きく効いたのです。これには、開発した当の私自身もビックリです。
 
 
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									|  | 何よりも”音楽の美味しい部分”が出て来るようになるのです。木に付いたままで熟した果物の自然の甘さは、最後まで大地から養分を貰っていますから店頭で売っている物とは全く違います。そうした”本物の素の美味しさ”と共通するものです。
 
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									|  |  脇役と主役 |  | 
								
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									|  | 根太材に使ってある程よい柔らかさの米松が床との喰い付きをよくするのでしょう、音に”粘りと溜め”が生まれます。音楽の骨格を支えるコントラバスのような実に素晴らしい脇役ぶりなのです。それがあるからこそ、主役のハードメイプルが強弱、緩急と自在に、まるでムチがしなるように”ソリスト”として歌い始めるわけです。
 
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									|  | そのサウンド・ステーションの説明の中で、「スノコに似た構造をしておりまして」と私が喋ったものですから、それ以来Tさんはその事を自然と”スノコ”と呼ぶようになりました。
 
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									|  |  曲が変わる度に、”グイグイ”と音が良くなってくる |  | 
								
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									|  | 最後に本来のRK-BWになる為にPB-BIGのオスをRK-BWの下に入れてペアリングしてやります。やはり、振動の道筋が決まるととんでもない音楽情報が出て来るようになりました。3分ほどで曲が変わる度に”グイグイ”と音が良くなってくるのですから、この先どんな音に発展して行くのか想像出来ないくらいもう既に凄い音です。ある面ヤスケンさん宅の801を凌いだ音になりました。
 
 この音を聴いた時に初めてB&W800の値段が802の倍である事に納得しました。ちょっとヤバイ音になりました。でも、Tさんは、もうすっかり自分の物といった顔をしております。しかし、私とてTさん同様に、このサウンド・ステーションが無いと東京試聴室も音にならないので困りものです。
 
 
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									|  | 『この”すのこ”は、一体いくらなんですか?』。
 
 「いや〜、出来たばかりで、まだ値段は決めていないんです」。
 
 「予定としては、この長さ630、幅525の物をMサイズとして10万円と考えております」。
 
 『お支払いが次回でよろしければ、このまま頂きたいのですが・・・』。
 
 こういうのには弱いんです。
 
 「う〜む・・・、ハイ!、分かりました、それではこのまま置いていきます」。
 
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